協議離婚のスタートは、夫婦間での話し合いです。協議離婚は、二人が離婚の条件を合意して、離婚届を提出するものですので、上手に話し合うことが大事です。
ここでは、上手に話し合いを行っていただくために、話し合う前の準備を述べます。準備が整ってから、話し合ってください(焦らず、急がず、ということです。)。
(1)冷静になる
不仲な相手のことを考えただけで、イライラされる方もいらっしゃると思いますが、ストレスが高じた状態では、適切な判断ができないはずです。重大なことを決めるのですから、心を落ち着かせましょう。
別居ができる状況であれば、別居も落ち着く方法の一つです。相手のことを、ゆっくり見直すことができるでしょう。
(2)知識と情報を得る
相手と話し合っている中で、自分の分からないこと、すぐに判断できないことが出てきたら、どうでしょう?
相手に対して十分な主張ができない、不利な条件をのむ、なんてことになれば、下手な話し合いになってしまいます。
書籍を読む、専門家に相談することは、有益だと思います。
離婚で一番重要な情報は、お金のことだと思います。養育費、財産分与、慰謝料というように、お金の話は避けることができません。夫婦での話し合いの前に、収入と財産についてはできる限り調べ、把握しておいてください。
(3)自分が望む生き方を考える
自分がこれから、どのような生き方をしたいのかを考えます。
まずは、自分の望むことを書き出してみましょう。
次に、その内容を実現するためにはどうしたらよいかを、考えます。
ここで、実現が不可能な内容が外されますので、離婚後の生き方・目標が明確になり、自分にとって何が必要か、何をすべきなのかが自覚できます。
(4)離婚後の生計を考える
離婚後の生活設計を、しっかり確認してください。経済的な自立ができないと、精神的にも苦しくなります。
住まいは確保できるか、婚姻中に建てた家のローンの支払いを続けられるか、労働力として認められるものが自分にはあるかといった、離婚後の状態を予測・分析してください。
子どもがいらっしゃる方は、引き取った場合に自分だけで養育できるか、相手から養育費の支払いがなくなっても経済的に大丈夫かといったことも、考慮してください。
(5)相手(配偶者)の立場から考える
離婚について、相手(配偶者)の立場から考えます。
不仲な当事者間では、ただでさえ感情的な対立になりやすいので、じっくりと十分に話し合うことが難しいのです。正しい、適切だという思いで主張しても、相手が感情的になってしまうと、交渉がまとまらなくなります。
相手ならどのような条件を求めるか、どのように考えるかと、相手の立場から考えてみるのです。
そうすると、相手の考えを予想・分析することができ、自分が強く主張できる部分、自分が妥協すべき部分というように、話し合いの戦略を立てることが可能となります。