勝手に提出された離婚届

市町村に提出する離婚届というのは、作る(書く)ことが特別難しいものではありません。

だから、早く離婚したいということで、離婚することが決まってもいないのに、どちらか一方が勝手に提出してしまう可能性があります。
(話し合いが進んでいないのに、一方から離婚を迫られているような場合には、離婚届の不受理申出を利用しましょう。)

離婚届を作って提出する離婚の方法は、協議離婚といわれるものですから、当然話し合って離婚を決めるものです。

どちらか一方が勝手に離婚届を出したのであれば、法律上は無効ですし、犯罪でもあります。

しかし、市町村は離婚届が提出されたときに、厳密な調査や判断をする仕組みにはなっていないようですので、戸籍の情報を記載する作業に入るのでしょう。

無効な離婚届であっても、協議離婚の届出があったことは、記載されてしまうのです。

この場合に、戸籍の記載を訂正してもらうには、市町村に直接訂正を求めることはできず、家庭裁判所の手続きを必要とします。

まずは、協議離婚の無効の確認を求めて、調停を申し立てます。

調停で相手が、離婚は成立している旨の主張である場合には、離婚無効確認の訴えを起こすことになります。

ところで、どちらか一方が勝手に離婚届を提出するのは、どのような場合なのでしょうか。

考えられやすいのは、夫が浮気により、妻以外の女性との間で子どもをもうけてしまい、その子どもを嫡出子としたいために、離婚を急ぐケースでしょうか。

離婚後の氏(姓、名字)の変更

婚姻中に称して(使って)いた氏(姓、名字)を、そのまま続けて使うか婚姻前の氏に戻すかについては、離婚の際に決めるのが通常です。

その時には、自身の仕事・活動、子どもの年齢、住所地などを考えて、決められているでしょう。
(協議離婚の場合、離婚届に記入欄があります。)

婚姻中の氏を継続して使う場合には、「離婚の際に称していた氏を称する届」を市町村に提出しますが、期限があります。

離婚した日から3か月を経過すると、この届出をすることはできません。

期限が過ぎた後に、婚姻中の氏を使いたいと決めた場合には、家庭裁判所の「氏変更の許可」審判で、変更を求めます。

ただし、市町村に提出する「離婚の際に称していた氏を称する届出」の場合と異なり、家庭裁判所の判断があります。
(変更の必要性が考慮されるでしょう。)

ですので、事前に離婚後の生活をしっかり慎重に考えた上で、氏のことを決めるべきと考えます。

なお、子どもが成人に達したからとか、実家を継ぐためとかで、旧姓に戻す場合も、同じ手続きになります。

離婚後の名字(姓)と戸籍

離婚した人の名字(姓)と戸籍

結婚したときに配偶者の名字(姓)に変えた人は、離婚すると結婚前の名字(姓)に戻ります。

戸籍は親の戸籍に入るか、結婚前の名字(姓)で新戸籍が作られます。

しかし、旧姓に戻るのは都合が悪いという方もいらっしゃるでしょう。

その場合には「離婚の際に称していた氏を称する届(戸籍法77条の2の届)」を市区町村に届け出れば、継続して名乗ることができます。
(離婚した日から3か月以内に届け出る必要があります。)

子どのも名字(姓)と戸籍

子どもの名字(姓)と戸籍は、親の離婚と連動していません。
(親権とも連動していません。)

ですので、母が離婚により旧姓に戻り、かつ、親権者になったとしても、子どもの名字(姓)は父と同じままで、父と同じ戸籍に入ったままです。

子どもを母の戸籍に入れたいときは、「子の氏の変更許可」の申し立てを家庭裁判所に行います。

そして、家庭裁判所の許可後、その審判書の謄本と入籍届を市区町村に届け出ます。